「かいごの道」      

介護のこと。現役の介護支援専門員(ケアマネージャ)によるブログ。介護支援専門員の目から見た、社会情勢など。介護に関する相談は何でも受け付け予定!

【介護現場】人出不足問題のお話。外国人・ひきこもりとの相性は?

介護の人出不足の話は、よく耳にすると思いますが、いったいどれくらい足りていないのでしょう・・・?

 

答えは100万人です!

 

:日本経済新聞

介護で外国人受け入れ拡大検討 

政府・自民党は、介護の分野で外国人労働者の受け入れを広げる検討に入った。高齢化が進む中で介護職員が増えないと、2025年度に100万人もの人手不足が見込まれるため。

 

ちょっと、想像してみてください。100万人て、だいぶ足りてないですよね!ちょっと足り無すぎる。ブータンとかモナコとかドミニカとか、そういう国の総人口よりもよりずっと多い。

でも、こんなに足りてないのに、処遇や給料があがらないって、どんな原理が働いているのか不思議になります。

厚生労働省、ちゃんと仕事しているのか!?と不安になってくるのは、わたしだけではないはず。

そして、そんな声を受けてかどうだか、厚生労働省も「日本人がダメなら、外国人介護士!」という、斜めの仕事を一応熱心にしているわけです。

 

時論公論 「介護福祉士 外国人受け入れの課題」 | 時論公論 | 解説委員室:NHK

:日本経済新聞  「政府・自民、EPAなど活用」

08年度以来、EPAに基づく介護福祉士候補生をフィリピンやインドネシアから累計1100人余り受け入れているが、国ごとの年間上限300人には届いていない。14年度にはベトナムからの受け入れも新たに始めるのを機に、候補生が働けるよう介護施設に協力を促す。

 

外国人の受け入れ構想は、ちょっと、難しかったですね。課題が山積で、思ったほど集まらなかったというのが現在の正直な結果です。

受け入れ側である高齢者や施設にも、やっぱり外国人に介護してもらうのが難しいといった思いもあったはず。言葉や慣習の違いは、若い世代にだって壁となるのに、適応力が下がっている高齢者にとっては、ものすごく高い壁です。

その気持ちもすごく理解できます。

 

それならば、

 

ひきこもり・ニートの人を介護職に 北海道が新事業で橋渡し−北海道新聞[道内]

新年度、自室からほとんど出ない「ひきこもり」や、15~34歳で仕事や通学もしていない「ニート」の人たちに対し、介護職への就職の可能性を探る事業に乗り出す。介護を通じて人から頼りにされることで自信を取り戻し、社会貢献の充実感を得ながら働いてもらう狙いがある。

 

これはどうでしょうか、わたしは案外相性がいいと思います。

だって、現実、人がいないんだから、もし働きたい人がいるなら、積極的に後押しをして、がんがん働いたらよいでしょう。

 

そして、これは高齢者にとっては、残された余生の中で、若い世代の人を育てる機会になる側面もあります。とてもいい。いま、デイサービスに保育園併設とか、地域交流だとか地域回帰だとか、そういう考えが主流になってきているのですから、ひきこもり支援所がそのままデイサービスだっていいと思います。

お互いがお互いから、色々と学べるものがあるはず。働いてお金を貰いながら、お金でないものを交換しあうのです。うまくいえば、プライスレス的な感じです。実際、介護職って、ほんと楽しいですよ。やりがいもあります。

 

高齢者は時々、当たり前だけど、死んで行きます。そういうとき、普通の人間だったら、いやでも生とか死とか、考えてしまいます。ちょっと涙がでたりします。そのとき、色々見えることもあるんですよね。生きるとか死ぬとか、そういうものに付随する意味みたいなものも。

それが、なにかはわからなくても、形を知ることはできます。そういう意味でちょっと、何かに悩んだり、立ち止まらざるを得ない人にはお勧めの仕事だと思っています。自信が無ければ、研修とかボランティアスタートでも、喜ばれると思います。

 

で、

 

介護就職者に奨学金45万円 人手不足の福島県沿岸−北海道新聞[暮らし・話題]

 

厚生労働省は2014年度から、福島県沿岸部にある介護施設で就職を希望する県外の人に、最大45万円の奨学金を条件付きで支給する。

 

実際どれくらい貰えるのか、よくわからないけれど、とてもいいと思います。人出不足解消っていうのと同時に、復興支援にもなります。

こういう施策は気持ちが良いですね。以前ニュースにもなったような悪意あるNPO団体とかはお断りです。

 働き手がないんだから、どんどんお金を引っ張ってくるべき。結局はそういうことに落ち着くと思います。はやく給料あがりますようにと、切に願います。外国人にコストをかけてゼロから教育するのもダメとは思いませんが、日本人にこそ、若い世代にはなおさら、国策としてじゃぶじゃぶお金をかけたらいいと思います。

 

あと、尿や便の始末がイヤっていうイメージもありますが、そんなもの、誰もが通る道。一度でも親の介護なんかやってみたら、イヤっていうか、平気でできるようになります。

順番に巡ってくるものです。そして、最期は自分自身にも巡ってきます。その時、人にやってもらうのがイヤとか言って、排泄物にまみれて過ごす人は極少数なのが現実です。だから大丈夫。

 

とにかく、介護職は楽しい。明るい介護の未来がはやく来るといいと思います。そのうち来ますように、現在の介護職のみなさん、それまでなんとかプライスレスなものを交換しながら、がんばりましょう。